臨済宗建長寺派の寺院で、山号は「千秋山」です。上杉寺月鑑明公が開基、節翁中勵が開山となり創建されました。本堂の前には伊勢原市の指定文化財となっている多宝塔があります。

幕末に徳川幕府は蝦夷地（北海道）の三ケ所に寺を建立して僧を派遣し、普済寺の禅僧に（三つの寺兼任の）住職として任命したのだそうです。当時はまだ未開の地だったので、きっと寒さや飢えや孤独感などと戦う過酷な任務だったのでしょうね。そして無事任期を果たして帰還した後、蝦夷地の安寧を願って建てたものが多宝塔になります。大山を背景に立派に建つ多宝塔は、その禅僧の遠い北の地への想いを現しているかのようです。